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夏の日

なちゅ

「彼女とはうまくいってるのか」
店番の少女に小銭を渡しながら、父さんが唐突に言った。
「普通」
「普通ってなんだ、何かないのか。浮気したとか、喧嘩したとか、ほら」
やたら弾んだ声に溜め息が出そうだ。
「結婚は?」
「まだしない」
父さんの眼鏡が光を反射して、なんとなくぎくりとした。
「あのな」
薄く濁った右目がこちらを向いた。
何ヶ月か前に悪いのかと尋ねたら、少しだけ、と言っていた。
「女の心はな」
大きな林檎飴。
「変わるものだぞ」
「・・・知ってるよ」
心のどこかで小さな俺が「母さんみたいにか」と呟いた。
大きな俺が口にするには、辛辣だ。
「父さん、それ食べきれるの。俺甘いの嫌いなんだけど」
「明日という日がある。朝食という習慣もある。
俺が不甲斐なく音を上げたなら、そこで消化するとしよう」
父さんは乾杯をするように、真っ赤な球体を夜空に掲げた。



絵に小話つけてみました。
父と子の、薄ら寒くも愛しい日々みたいなアレがいいなと。
夏は好きです。暑くなければ。暑くさえなければ。
空も海もきれいだし、夏の風物詩(主に食い物)には抗いがたいものがあるよね!

Profile
ZARI (ザリ)
好きなものは
創作、お絵描き、話書き。

超スローペースに
楽しんでます。
1月30日生まれ。

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